文章: 【2021年版】おすすめスキャナーは?使い方や選び方、人気ランキングなど
【2021年版】おすすめスキャナーは?使い方や選び方、人気ランキングなど
スキャナーとは?
スキャナーとは、ご存知の通り紙に印刷された文字や絵や写真を画像としてコンピュータに取り込む装置のこと。溜まっていく写真や紙の資料を簡単にデジタルデータ化できるので、身の回りの整理や省スペースになることはもちろん、メールやSNSで仕事先や友人と共有したり、複製を作ったり、PCやスマホに次いでもはや必需品の域に入りつつある機器の一つです。使い始めるととても便利なのに、なんとなくプリンターの影に隠れてしまっているところがちょっと歯がゆい。そこでスキャナーの種類や魅力を紹介していきたいと思います。
スキャナーと複合機やプリンターの違い
一口にスキャナーと言っても、実は種類があります。
大きく分けるとプリンターと一体になった複合機、単機能のスキャン専用機の二種類があり、複合機が一般に多く流通しています。しかし、スキャン専用の機械は精度も高く、イラストや図などに向いているフラットヘッドスキャナー、厚みのある書籍などに便利なスタンドスキャナー、ハンディタイプのスキャナー(モバイルスキャナー)、フィルムを読み取れる透過式のものや名刺に特化したものなど、様々な種類がありますので、用途と使用頻度や目的によって選ぶと良いと思います。
スキャナーの使い方
スキャンしたいものをスキャンヘッドで読み取る、というのが共通する基本操作です。それぞれの機種によってドライバソフトをダウンロードし、PC上から設定・操作するというのが主流。スキャンしたデータの形式や解像度、保存方法、画像を綺麗にするための様々な補正機能などの機能は機種によってとても幅がありますので、そうした機能をどう使いこなすかが主なポイントになるでしょう。
名刺
文字の小さい名刺は画質のいい状態でスキャンすることが大事。専用の小型スキャナーも様々な製品がありますが、プリントされた文字をデータ化できるOCR機能や管理アプリケーションなどが充実していて、ハガキや名刺でしか使わないのであれば専用機が最も使いやすいと言えます。量や取り込んだデータの活用方法によって適したスキャナーを選ぶのが大事です。操作は簡単で、スキャン面に名刺を置いて読み込むか、一枚ずつ差し込んで読み込むか、の二種類。
ノート・メモ
ノートやメモなど簡単なものをサクッとスキャンしたい場合には、スマホのアプリが活躍します。iPhoneであれば写真を撮るように使えるメモアプリが撮影した用紙の歪みも簡単に補正できて便利です。またAdobeScanやMicrosoft Office Lensなどのアプリケーションも使い勝手がとても良いようです。OCR機能のついたアプリであれば、手書きの文字もテキストデータ化できますのでクラウドサービスを使ってPCに転送して活用しましょう。
書類
オフィスであれば、そしてまとまった枚数をスキャンしたい場合は複合機の自動用紙送りを使うのが一番手っ取り早いでしょう。スキャンする前に書類を整理しておけば、取り込んだ後のデータ整理も楽々行えます。最近は家庭用の複合機も様々な機能が付いていますので、自動用紙送り機能付きのものを選べば、手早く作業も進みます。PDFで保存すれば、その後の編集やファイル保存、互換性もよく便利ですね。
書籍・本・雑誌
書籍や雑誌をスキャンするのはなかなか厄介なもの。本棚整理のためスキャン後捨てるのであれば、1ページずつバラしてスキャンすれば通常のスキャナーで歪みも起こりません。ただし薄いページは自動用紙送りで読み取れないことが多く、紙詰まりの原因にもなるので注意が必要です。歪みを補正する機能が搭載されたタイプのものならバラさなくてもOKです(非破壊自炊が可能!)。スタンド式のスキャナーであればマットの上に原稿を置いて、高い位置についたヘッドが自動でスキャンを行います。ページをめくるだけでよく、歪みの補正もできます。
イラスト・図面
イラストや図面などの場合は、細い線や色などをより美しくスキャンできるフラットヘッドスキャナーがオススメです。精度はdpiで表現されますが、家庭用の複合機より、専用機の方が高精度の画像としてスキャンできるようです。文字だけなら300dpiでも十分ですが、写真の場合は最低でも600dpiは欲しいところ。精度の高さを追求すると4800〜6800dpiなどいろいろと差がありますので、設定時に注意が必要です。
写真
写真も、イラスト同様に美しい状態を保ちたい場合は高精度の専用スキャナーを使いたいところです。あまり画質にこだわりがない場合、大量にスキャンしたい場合は一度に複数枚スキャンできるものや、自動用紙送り機能があるものを活用するのが良いと思います。いずれも付属のドライバソフトで調整しますが、自動で簡単に済ませるものから高画質で調整できるものまでありますので、ご自身の目的によって機種を選択する必要があります。後述しますが画素とdpiというややこしいスペックがありますので、スキャンの際にこの点押さえておきたいところです。
子供のお絵描き・思い出の品など
お子さんが描いた絵などの思い出のものは紙のまま保管するとやはり劣化してきますので、スキャンして保管したいものです。大きなサイズのものは専門店にお願いするのが良いですが、分割してスキャンし、後ほど写真のアプリケーションでつなぐ作業ができれば家庭用のスキャナーでもOK。ただしこれにはある程度の知識が必要なので、そこまでのこだわりがなければ写真に撮って保管するのが無難かもしれません。厚み・高さのあるものであれば本や雑誌をスキャンするオーバーヘッド型が活躍。カメラ形式で立体をスキャンできたりして楽しそうですよ。
スキャナーの種類
スキャナーも、掘り下げると様々な種類があります。これまでご紹介したように、何をスキャンするのか、その量や保管方法、画質はどのくらいのものが欲しいかによって、機種の選択はかなり違いがありますので、この点をよく知っておきましょう。
据え置き型:いわゆるフラットヘッドスキャナーがこれに当たります。スキャン以外にプリントもできるものを複合機と呼びますが、プリント機能が必要なければ専用機の方がより様々な機能を使えるものが多いと思われます。ただ、最近の家庭用複合機は比較的安価で使い勝手が良いので、スペースや用途だけでなく価格も加味して絞り込んでいきましょう。
持ち運び型(ハンディタイプ):名刺やハガキに特化した小型のものや、A4の紙をスキャンできるものがあります。引き出しにしまえて、使いたい時だけ出す、なんていうことができるのはこのタイプ。場所をとらないので据え置き型が大きいと感じる人や、外出時にも使いたい人はこのハンディタイプが向いています。ただし、まっすぐ読み込ませるのに慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。給電方法と重量に要注意。
オーバーヘッド型(スタンドタイプ):書籍や立体的なものも読み込むことができるので、使い方によってはなかなか楽しいのがこのオーバーヘッド型。雑誌や書籍が増えすぎてスペースを整理したい方や、お子さんの作った立体物を画像としてとっておきたい場合などに活躍しそう。ただし、場所を確保しないといけないことと、使用目的ははっきりさせておきたいところ。
スキャナーの機能
スキャナーは昨今だいぶ進化を遂げ、様々な機能が搭載されるようになりました。何に使うかが決まれば、あとは機能を見て絞り込んでいきましょう。
シートフィードスキャナー:シートフィード、つまり原稿をローラーなどで送り込む機能です。手差しのものと自動給紙の二種類がありますので、以下に解説します。
手差しタイプ:名前の通り、手で一枚ずつ差し込んでいくタイプです。主にハンディタイプのものがこれに当たります。持ち歩くことができ、場所もとらないハンディタイプですが、まっすぐに原稿を差し込むのは少し技術がいるかもしれません。
ADF搭載タイプ(自動給紙装置):複合機に多いのが、このADF搭載タイプです。オフィスなどでよく見る大型のものであれば一度にたくさんの用紙を素早く読み取ることができます。画質が選べるものがほとんどなので、必要に応じて設定しましょう。
自動補正機能:オーバーヘッド型にはだいたい搭載されています。またスマホなどでスキャンする時もこの補正が必要になります。読み取る際に向きの補正ができるものもありますが、向きはデータ化した後に修正することも可能。
向き補正:大量の文書をスキャンする時、横向きにスキャンをしたい場合などに便利な機能です。読み込んだ内容を自動で判別する機能もあり、一枚ずつ揃える必要もないので大幅に時間を短縮できます。
歪み補正:スマホでスキャンする場合やスタンドスキャナーなどにはだいたい搭載されています。スキャンヘッドと原稿が離れている場合など、取り込んだ画像が歪んだ場合に、この機能があるとフラットヘッドスキャナーで読み込んだように綺麗な画像に直すことができます。
データ転送:だいたいどのタイプもPCのドライバなどを使ってスキャンを実行するので、この機能はスキャナーには欠かせないものです。有線と無線の二種類があり、転送速度は機種によって違います。
有線:USBが基本で、専用のケーブルが付属している場合と、別売りのものを入手する必要がある場合があります。最近の家庭用の複合機は無線が主流ですので、購入する際には注意が必要です。場所が固定されてもいい場合、PCが1台だけの場合は有線でつなぐ方がスピードも早く設定も簡単です。
無線(Wi-FiやBluetooth):PC、スマホ、タブレットなど複数の端末から読み込み操作ができること、離れた場所にスキャナーを置いていても操作ができることがメリットです。ただし、高画質でスキャンする場合は時間がかかることも。設定は有線のものより複雑ですが、詳しいマニュアルなども付属していますので、一般的なPCの知識があれば問題ないでしょう。
OCR機能:スキャナーで取り込んだ原稿の文字を自動でデータ化できる非常に便利な機能です。タイピングの必要がありませんので文書や名刺のデータを取るのに適していますが、たまに漢字などを誤変換している場合、図などを文字として認識しておかしなことになっている場合もありますので、読み込んだ後は必ず目を通しましょう。
クラウドアプリ連携:最近はアプリケーションなどもクラウドが主流です。どこでもデータを閲覧できたり、複数の人で共有することもできるので、データによってはクラウドを活用するのが便利です。ただし、GoogleやAdobe、OneDriveなど様々なクラウドサービスがありますので、どのクラウドと連携しているかによってアプリケーションを選ばなくてはいけません。
スキャナーの選び方
ここまで書いてきたように、スキャナーには大きく分けて専用機、複合機があり、またそれぞれ据え置き型やハンディタイプなど様々な特徴があります。ご自身の使い方を考えて適したものを選びましょう。以下に再度それぞれの特徴と、ポイントとなる条件を挙げておきます。
据え置き型の条件
場所が固定されても大丈夫、という方には据え置き型をお勧めします。一台のPCとしか接続しなくてもよければスピードも期待できます。加えて以下の条件を満たすものであれば非常に便利に使えるはずです。主に事務作業などのデスクワークで使う方に向いていると言えます。
ADF搭:枚数のまとまった資料などをスキャンしたい場合は自動で用紙を送ることができる機能は必須。一枚ずつスキャンという非効率な方法を避けたい人は特にこの機能にこだわりましょう。
両面スキャン対応:ビジネスの文書は片面印刷がほとんどですが、中には用紙を減らすために両面印刷されている場合もあるでしょう。そんな時のことを考えて、保険的にあったほうがいい機能。ただし、両面スキャンに対応しているのはそれなりに大きい機械である場合が多く、小さな機械では自動での動きが複雑で故障しやすくなりがちなので注意しましょう。
スキャンスピード毎分40枚以上:これは機種によって様々です。スピードはだいたい価格と比例すると考えていて間違いなさそうです。よりハードに使用する方はこのあたりの機能もきっちり押さえておきたいですね。
向き補正機能あり:バラバラに読み込んでも自動で認識してくれるという優れものの機能。あると便利ですが時間がある方や、PDFの操作に慣れた方であればスキャン後にアプリケーション上で修正することもできますので、必要に応じて考えると良いと思います。
解像度600dpi以上:dpiは1インチの中にドットがいくつ入っているか、ということを表しています。つまりこの数が多いほど細かい部分の再現性が高いということになります。文書であれば300dpiで十分ですが、イラストや写真、図面など、細かい表現や色、画質にこだわりたい方はより高い設定ができるものを選びましょう。
持ち運び型(ハンディタイプ)の条件
家の中ではもちろん、外出先でも使いたい、場所をとりたくない、という方はハンディタイプが良いと思いますが、あまり解像度は高くありません。電池式のものと充電式のものがありますので、どちらのタイプを選ぶか、重さなどを参考に決めると良いでしょう。折り目があったり、小さい紙など読み取りが難しい場合はクリアファイルに挟んで使えば綺麗に読み取れます。また厚い本などもページの上を滑らせて読み取れるので、資料の収集などに便利です。
手差しスキャンスピード1枚片面5.2秒以下:現在のところ、A4の用紙をハンディスキャナーで読み取る場合、5.2秒というのが最速になるようです。複合機や据え置き式と比較すると長めですが、このスピードは選択する時のポイントになりそうです。
向き補正機能あり:好きなように動かせるハンディタイプですから、書類の向きも自由自在。そう考えると読み取り時に自動で向きを補正する機能というのが重要です。後から直すのも手間がかかりますので、できれば向き補正がついているものがストレスを感じなくて済みそう。
解像度600dpi以上:書類や文字しか読み取らないのであれば低い解像度でも良いけれど、写真も読み込むことがあるなら最低でも600dpiは欲しいところです。最近はハンディタイプでも1200dpiの解像度を持つものもあります。
重さ400g以下(持ち運び前提の場合):引き出しなどにしまっておくのであれば多少重くても良いですが、外出先で使いたい場合は軽いものが望ましいのは当たり前。軽さを重視すれば他の機能は少々劣ってきますが、軽さだけで言えば270gという超軽量のものもあります。
コードレスタイプ(WiFiもしくは本体保存):WiFiやBluetoothに対応し、読み込んだものを同時にPCに表示できる場合と、本体のMicroSDなどに保存するタイプがあります。これは好みになりますが、日本のWiFi環境はあまり良いとは言えないので、ポケットWiFiやノートPCと併用できるかどうかが決め手になりそう。
オーバーヘッド型(スタンドタイプ)の条件
形状的に、家庭に設置するのは抵抗がありますが、オフィスや専用の設置場所を確保できるなら一台あるととても便利、といったタイプの製品。平面の紙しかスキャンしない人には必要ありませんが、古い本や雑誌の保管(非破壊自炊)には大活躍する、ちょっとマニアックな機種と言えます。
歪み補正機能あり:開いた本やランダムに置いた写真などの歪みを自動で補正できる機能はぜひ欲しいところ。本や雑誌の綴じ部分の歪みも補正してくれるので、非破壊自炊される方には必須の機能ですね。
スキャンスピード1枚片面3秒以下:解像度を高く設定すれば時間はそれなりにかかりますが、文字のみでモノクロであれば素早く処理したい。早いものでは片面3秒以下でスキャンできますし、めくりながらスキャンする場合はこのスピードを調整できると良いと思います。
向き補正:傾きや、縦横の方向を補正してくれる機能は意外と重宝します。適当に置いたものでもデータになった時に綺麗に揃うので、後から画像アプリケーションなどで直す必要もなく、そのまま使えるデータが出来上がります。手間を省いて作業効率を上げたい場合はこの機能が役立つはず。
解像度600dpi以上:ハンディタイプや家庭用の複合機と比べて、本格的な機能を備えているオーバーヘッド型。最低でも600dpiというのが妥当だと思われます。文字だけの書籍なら最低ラインの解像度でスピード重視、写真や書画などを中心に使うのであれば高解像度を選びたいところですが、オーバーヘッド型の場合はカメラでスキャンしていますので、デジタルカメラのようにその精度は画素数で表現される場合もあります。dpiは1インチの長さに入る画素数、単に「画素(1400万画素、などと表現)」という場合は画像全体の画素数を表します。もちろん多い方が高画質ですが、どんなディスプレイを使うかによって意味がなくなってしまう場合もあります。
スキャナーの人気ランキング
以上を踏まえて人気ランキングを考えたいところですが、用途によってランキングは全く変わってしまいます。ウェブサイトを検索するとたくさんの人気ランキングが投稿されていますが、まずはご自身の目的と用途をよく見極めることが大事だと思います。その上で値段や設置場所、給電方法などで絞り込んでいくと良いでしょう。
定番は「ScanSnap」シリーズ
富士通の「ScanSnap」シリーズは、上記の様々なスキャナーを網羅していて、スキャンということのみを考えるとこれが定番。もともと業務用のスキャナーを扱っていたので、手軽に使いたい場合、本格的に使いたい場合、専門的な使い方まで加味して選べて信頼が厚いです。
まとめ
スキャナーと一口に言っても実にたくさんの製品があることがお分かりいただけたと思いますが、基本的には画像の知識があるとより深いところまで理解して選んでいけますね。dpiやらppiやら画素数やら、なかなか難しい部分もありますが、大枠だけでも知っておいて損はないと思います。また、OCRや補正など、スキャナーもどんどん進化していますので、新しい機能を知って便利に使いこなしましょう。そして、身の回りの書類はSlideNoteにまとめておけば、自動用紙送りのついたスキャナーにも、ハンディスキャナーにもとっても便利です。
放っておいても増えてしまういろいろな書類を整理するのは本当に億劫なものですが、一度SlideNoteにまとめておいて、必要なものだけスキャン、という使い方もできますね。